古文書にみる今村の土地

1984年~( 旧編集委員会 1980年3月 筆 )

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 八王子神社境内のごうぐらに江戸時代から昭和初期までの文書200余点が保存されていたが、現在は市立図書館に保管されている。古いものは虫が喰って開くこともできない状態で、特に貴重な資料に傷みのひどいのが多くとても手にとってすぐ見られるというわけにはいかないので、私達はこれを分類整理し裏打ちしたり製本したりして利用できるようにしようと、作業をはじめた。

 その中で「土地」関係の文書のうち、明治7年(1874)から12年(1879)頃までの記録をみると、戸数215戸、(それぞれが地券を受けた記録あり)、田175段、畑129段、宅地81段、計385段となり、1戸当り平均にすると約1.8段になるが各戸の所有別にみると5段以上の田畑を所有していた家は215戸中12戸(6%)で計149段(49%)を所有し、残り51%を203戸(全戸数の94%)で所有していた。又、山林は167段余で1戸平均約8畝である。

 又、明治7年(1874)2月、根之鼻はじめ11ヶ所を描いた12枚の「御改めに付調べ上げ管林箇所図面」があり、面積合計は414段余になっている。

 これだけの耕地では今村の人も苦しかったであろう、当然、農業以外に収入を求める工夫もされていたものと推測される。