お墓の世界記録/社寺と墓地

( 今旧編集委員会 1980年5月 筆 )

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 ここでちょっと気分を変えて、でっかいお話をひとつ……。

 日本人の祖先崇拝思想はきわめて厚く、その証拠に、お墓に関しては世界一の記録をいくつか持っています。

 まず、世界で最も沢山の人がまつられている墓地は高野山です。宮様、将軍、武士、町人の墓から誰のものかさだかでない墓まで含めると実に100万基をこえる墓石がひしめいています。中には白蟻の墓なんてのまでありますね。世界中どこを訪ねても、先ずこれだけ沢山の墓が集っている所はないそうですが、それでは墓地の広いことでの世界一はというと、これも日本にあります。ご存知の方もあるかと思いますが富士山の麓に約100万坪の敷地を有する富士霊園がそれです。慶昌院のお墓の団地がケシ粒に見えまーす、というわけ。

 さてそれでは、個人のお墓で世界最大はというと、最近中国でもいろいろ発堀されていますのでやがて王座を奪われるかも知れませんが、堺市にある仁徳天皇陵が世界一でしょう。46万平方米の敷地に、高さ33m、前後径478m、前方幅300mの、前方後円墳が3重の濠にかこまれて鎮座している。

 もっとも、墓そのものの広さという点ではインドのタジ・マハールには及ばないそうですが……。