今村城址は瀬戸市城屋敷町にあり、城構えは東西60間、南北60間、四方一重堀、南面のみ二重に堀を囲らし、堀の幅は5間、四方に囲らした土居は根敷5間、高さは2丈もあったが、耕地整理のためその原形を失い、今はわずかに藪の畔にその跡をとどむ。地名として残るは出口、厩屋敷、お鶴屋敷、お鶴の井戸、市場、矢下、アオリガケなどがある。
※ 郷土史学研究会発行 「風土」 S30年(1955)10月号 松原下総守広長公(2)戸田修二執筆より
現在、今村城址は、八王子神社境内北西隅に『松原広長公城跡』の碑と『お鶴の井戸』という小さな碑が建てられ、堀の一部が小さな池として残るのみである。なお、村人によって、広長公の菩提を弔う松原神社が八王子社の西に合祀され、境内には公の遺徳を偲ぶ頌徳碑が建てられている。
今村城は東西、南北60間とあり、北は瀬戸街道あたりまでの城域であったと思われる。