平和と独立守る「自衛隊」/戦争

1950年~( 旧編集委員会 1980年1月 筆 )

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 敗戦による反省から、もう二度と戦争を起してはならぬ、あってはならないという決意を憲法第9条は「日本国民は……戦争と……武力の行使は国際紛争を解決する手段としては永久にこれを放棄する」と、世界に向って誓った。

 ところが、昭和25年の朝鮮戦争の頃から米国の政策が変り、マッカーサーの指令で警察予備隊ができ、それが保安隊となり(27年)、自衛隊と変った(29年)。

 政府は「自衛のためのものであれば相当程度の実力は戦力ではなく違憲ではない」と解釈した。学界では違憲説が多いようで憲法改正についての論議もくりかえされてはいるが、反対意見も多く、改憲は実現されていない。

 「自衛隊法」に基く自衛隊は明治の徴兵令とは正反対ともいえる志願兵制度になっている。一般国民から志願者を募集し、契約で一定の給与と服務年限をきめる職業兵制度で、特別国家公務員になる。衣食住は無償給付又は貸与、健康管理は万全で、退職年金支給、賞与年3回、昇給は年1回となっていて、国の各種免許取得の機会もある。

 志願の手続や除隊後の世話などについては自衛隊愛知地方連絡部が担当しており、市役所西の長江ビルにその瀬戸分室が置かれているが、市役所市民課にも窓口がある。

 明治初年以来の戦争の記録をふり返ってみると、ほぼ10年毎の頻度でたびたび戦争を経験していることになる。このような戦争体験から、骨身にしみて体験したことどもを戦争を知らない世代の人々に引きつぐために、こうした記録をみんなでまとめたい。